シリアの港湾都市タルトスで23日、自動車が爆発した現場。シリア国営通信が配信した=AP
内戦が続くシリアの地中海沿岸部のジャブラとタルトスで23日、複数の爆破事件があった。在英NGO「シリア人権監視団」は死者はジャブラで73人、タルトスで48人に上るとしている。アサド政権は「テロ攻撃だ」と非難した。両都市は政権にとって重要地域で、大きな痛手だ。
シリア国営通信によると、死者は計78人。ジャブラでは、主要バスターミナルで二つの爆発があり、郊外の住宅街にある電力会社でも爆発があった。国立病院の入り口近くでも男が自爆した。地元警察幹部によると、死者の大半が女性と子どもという。
タルトスではバスターミナルの入り口で自動車が爆発し、ターミナル内では何者かが自爆した。住宅街でも自爆とみられる爆破があった。
タルトス県と、ジャブラのあるラタキア県はアサド政権支持者のイスラム教アラウィ派住民が多い。タルトス県にはロシア海軍、ラタキア県には同空軍の基地がある。両県はアサド政権にとって首都ダマスカスと並ぶ重要地域で、治安は比較的良好に保たれていた。
爆破は、過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロの可能性がある。ISを支持するネットメディアはIS戦闘員が実行したと伝えた。ただ、これまで正式な声明はでていない。