北九州市は、市が発注する建設工事の資格審査で、暴力団から離脱した元組員を雇っている業者を優遇する取り組みを2017年から始める。市が25日発表した。福岡県警の要請を受けたもので、全国初という。
市によると、制度は市内の業者が対象。建設工事の競争入札参加資格の審査で、県暴力追放運動推進センターに協賛企業として登録し、県警かセンターが就労支援した離脱者を過去1年の間に3カ月以上雇用している業者に審査の点数を加点する。
資格審査の点数は、国が定める会社の規模や完工高などの客観点が9割、市が定める非行少年支援や障害者雇用など主観点が1割。市内業者の平均点は約800点で、評価の高い企業は約2千点になる。離脱者雇用の要件を満たすと主観点に10点が加えられる。
市の説明では、昨年7月に県警などと開いた連絡会議で要請を受けた。県警は県や福岡市にも同じ要請をする考えを示したという。北九州市の北橋健治市長は25日の記者会見で、「離脱者の社会復帰の促進につながってほしい。取り組みが他の自治体にも広がることを期待する」と述べた。
入札参加資格のある市内の業者約1500社のうち、センターの協賛企業は16社にとどまるという。(中川壮)