和解成立後、遺影とともに会見する遺族たち=25日午前、仙台市青葉区、福留庸友撮影
東日本大震災の津波で犠牲になった常磐(じょうばん)山元自動車学校(宮城県山元町)の教習生と従業員の遺族が、学校側に損害賠償を求めた訴訟の控訴審は25日、仙台高裁(小野洋一裁判長)で教習生側と学校側の和解が成立した。従業員側も和解に応じる意向で、7月にも成立する見通し。
教習生側の代理人弁護士によると、和解条項には、学校側が震災前に津波を想定した防災マニュアルを作らず、震災の発生後も適切な避難指示を怠ったことが死亡の一因になったと認め、学校の経営者が陳謝することが盛り込まれた。
また、昨年1月の一審・仙台地裁判決は、学校に約19億円の賠償金の支払いを命じた。和解条項では解決金として教習生1人につき50万円を遺族に支払うとした。