伊勢志摩サミットの記念撮影に臨む米国のオバマ大統領=26日午後4時1分、三重県志摩市の志摩観光ホテル、飯塚晋一撮影
■朝日新聞単独書面インタビュー要旨
●広島訪問
私が広島を訪問するのは何にもまして、第2次世界大戦で失われた何千万もの命に思いをはせ、敬意を表するためである。広島が思い起こさせるのは、戦争は、理由や関与した国を問わず、とりわけ罪なき市民に対して途方もない苦しみと喪失をもたらすものということだ。私は、広島と長崎への原爆投下の決定について再び議論はしない。だが私は、安倍晋三首相と私が共に広島を訪問することが、かつての敵国同士でさえ、最も強力な同盟国になれるという和解の可能性を世界に示すということを指摘したい。
広島から「核なき世界」訴えへ オバマ大統領に聞く
今後なすべき多くの仕事が残っており、最も困難な課題の一つは北朝鮮だ。北朝鮮の核と弾道ミサイルの計画はこの地域、米国、そして世界に対する脅威だ。だからこそ、安倍首相と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領とともに日米韓3カ国の協力を増強し、抑止力と防衛力を強化し続けるために協力してきた。
核保有国がすべきこともたくさんある。私は、米国には、核なき世界の平和と安全に向けて指導力を発揮し続ける特別な責任があると繰り返し述べてきた。
●米中関係
中国については、米国は中国が安定的に、繁栄しつつ平和的に台頭することを歓迎すると、中国の指導者に対しても含めて何度も述べてきた。建設的な関係を中国と築くために、私は働いてきた。南シナ海での埋め立てや建設を含めた中国の行動は引き続き懸案だ。米国はこの地域での紛争で権利を主張する当事者ではないが、航行や上空飛行の自由、紛争の平和的解決といった国際ルールや規範が守られることを確かにするために、同盟国を支持し続ける。
●沖縄問題
私が25日に公式の場で述べた通り、沖縄で起きた悲劇について、深い遺憾の意と心の底からの哀悼の気持ちを表明する。日本の司法制度のもとできちんと裁きが下されることを確保するため、米国は全面的に捜査への協力を続ける。
もっと広く言えば、日米両政府はこれまで、沖縄における現在の米軍駐留の状況が、地域社会に必要以上の負担を与えていることを認識してきた。私たちがすでに約束したとおり、現行の(再編)計画が完了すれば、沖縄における海兵隊の駐留はほぼ半減し、かなりの沖縄の土地が返還される。このような大幅な再編は簡単ではない。時間がかかる。しかし、私たちはともに前へ進むために尽力している。