北海道鹿追(しかおい)町の陸上自衛隊然別(しかりべつ)演習場での訓練中に実弾が誤射された問題で、岩田清文陸上幕僚長は26日の記者会見で、訓練をした部隊は「空包」を請求したが、その請求情報が弾薬を管理する隊に届いた時には、弾種が「実弾」となっていたことを明らかにした。陸自は弾種が変わった経緯などを調べている。
空包と誤り実弾配布、79発撃ち合う 北海道の陸自誤射
陸自によると、訓練は23日、トラックで物資輸送中の第310輸送中隊が敵に襲われるとの想定で行われ、敵役の隊員を含め9人が計79発を小銃で発射。音だけが出る空包の予定だったが、実際には実弾を撃ち合う形になり、小銃の部品が壊れて破片に当たった隊員2人が軽傷を負った。
第310輸送中隊は訓練用に空包を請求したが、これが、北部方面輸送隊経由で弾薬を管理する真駒内駐屯地業務隊に届いた段階では、請求する弾種が実弾となっていたという。陸自は陸上幕僚副長をトップとする事故調査委員会を設置。陸自の警務隊は、業務上過失傷害の疑いがあるとみて捜査を始めた。
岩田陸幕長は会見で「通常ではありえない事案が発生し、大変遺憾。重く受け止めて再発防止に万全を期す」と述べた。(其山史晃)