国際宇宙ステーションに取り付けられ、徐々に膨らんでいく試験用居住施設の様子=NASA提供
米航空宇宙局(NASA)は、国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けた試験用の折りたたみ式居住施設に内側から空気を入れて膨らませることに成功した。将来の有人火星探査などに活用が期待される新技術で、今後2年かけて耐久性などを確かめる。
「宇宙ホテル」実現へ米で試験機打ち上げ 折りたたみ式
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施設は一般人が滞在できる「宇宙ホテル」の開設を計画していることで知られる米宇宙ベンチャー「ビゲロー・エアロスペース」が開発。今年4月に打ち上げた米宇宙企業スペースXの無人補給船ドラゴンに折りたたんだ状態で搭載し、ISSのロボットアームで船体に取り付けられていた。
NASAによると、今月28日、宇宙飛行士が機器を操作して折りたたまれた状態の施設(幅約2メートル、高さ約2・4メートル)に空気を入れ、7時間以上かけて風船のように丸く膨らますことに成功。幅約4メートル、高さ約3・2メートルに広がった。
今後、安全を確認した上で、6月上旬に宇宙飛行士が初めて施設内に立ち入る。その後も宇宙飛行士が年数回ほど立ち入り、放射線量などを測定。宇宙線や宇宙ごみの衝突に対する耐久性などを調べるという。(ワシントン=小林哲)