文部科学省は31日、原子力規制委員会から新たな運営主体を選定するよう勧告をうけた高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、有識者検討会がまとめた報告書を規制委に提出した。
高速増殖原型炉もんじゅ
もんじゅをめぐっては、2012年に機器約1万点の点検漏れが発覚。その後も保安規定違反などが相次いだため、規制委は昨年11月、新運営主体を具体的に特定するよう勧告した。
文科省は有識者検討会で、新運営主体に求める要件を議論。報告書には、原子力分野以外の専門家を半数以上入れた経営協議体の設置などの要件が盛り込まれたが、具体的な主体の選定には至っていない。文科省は、報告書をもとに運営主体の決定に向けて詰めの作業を続ける。
文科省研究開発局の田中正朗局長は報告書の提出後、記者団に対し、「途中段階のものではあるが、検討会の報告書がまとまったので、規制委に届けるのが筋と考えた」。規制委員会事務局である原子力規制庁の荻野徹次長は「勧告への回答ではないので、今後の検討を見守っていく」と話した。