〈指し手〉先手・羽生名人 ▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△3三角▲3六飛△8四飛▲2六飛△2二銀▲8七歩△5二玉▲5八玉△5一金▲3八銀△6二銀▲3六歩△8六歩▲同歩△同飛▲3五歩△8五飛▲3七銀△8六歩▲7七桂△3五飛▲5六飛△3四飛▲3八金△9四歩▲7五歩△8七歩成▲同金△9三桂▲8六飛△8五歩▲7六飛△4一玉▲9六歩△2四飛▲2六歩△8四飛▲6八銀△5四歩▲9七角△4二角▲7四歩
羽生善治名人(45)に佐藤天彦八段(28)が挑戦している第74期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局が30日、山形県天童市の天童ホテルで始まり、午後6時37分、佐藤挑戦者が58手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各9時間のうち、羽生名人が3時間39分、佐藤挑戦者が4時間24分を消費した。31日午前9時に再開され、同日夜までに決着する見込み。
特集:将棋名人戦タイムライン
佐藤挑戦者の3勝1敗で迎え、タイトル奪取がかかった本局。後がない先手の羽生名人が、佐藤挑戦者が得意とする戦法「横歩取り」を受けて立った。今シリーズ4回目の登場だ。
24手目の△5一金で、最近ではあまり見かけない展開になった。代わりに△7二銀なら第1局、第4局と同じ進行だった。
後手から攻めると思われた状況で、羽生名人は突然▲7四歩と開戦。意表をつかれたのか、佐藤挑戦者は考え込み、1時間16分の長考で次の手を封じた。
解説の村山慈明七段は「羽生名人の仕掛けは機敏だと思います。負担になっている先手の8七金と後手の9三桂がどのように働くかがポイントになります」と話した。(村瀬信也)