ニトリ南砂店にある乗り合い代理店「ニトリのほけん+ライフサロン」=4月、東京都江東区
複数の保険会社の商品を販売する乗り合い代理店(保険ショップ)の競争が激しくなっている。市場の急成長で大手生保も本格的に参入。一方、「手数料の高い商品ばかり売っている」との疑念も根強く、顧客の判断に必要な情報提供などを義務づけた改正保険業法が月内に施行される。代理店側は経営環境の変化に直面している。
家具・インテリア大手ニトリの南砂店(東京都江東区)では、ソファ売り場の一角にテーブルと椅子が用意され、保険のパンフレットが並ぶ。日本生命保険の子会社ライフサロンとニトリの子会社が、昨年10月に開いた乗り合い代理店だ。
主に買い物に来た30~40代の夫婦らが足をとめ、月25件ほどの契約が成立するという。代理店の西野宮由香店長は「開業半年としては上々だ」と話す。
日生は昨年5月に独立系のライフサロンを買収し、代理店事業に本格的に参入した。顧客のニーズが多様化し、自社だけでなく複数の保険会社の商品を比べたいという人が増えたためだ。企業の安全管理が厳しくなり、日生の営業職員が職場に入りにくくなっていることも背中を押した。
さらに日生はこの夏、NTTドコモとの連携にも乗り出す。ドコモの販売店が代理店となり、日生だけでなく住友生命や第一生命の子会社、損害保険会社系など8社の商品も売る。日生には自社商品が売れないと手数料収入は入らないが、顧客の好みなどを把握できる利点がある。