登庁する舛添要一東京都知事=15日午前9時24分、東京都庁、小玉重隆撮影
国際政治学者から参院議員に転身した舛添氏は2014年2月、金銭授受問題で前知事が辞職したことに伴う知事選で211万票を得て初当選した。同年11月には「無駄な税金は使わない」と、20年東京五輪・パラリンピックの3競技施設の建設を取りやめ、約2千億円のコスト削減を主導した。
特集:舛添氏政治資金問題
都が建設費の一部負担を求められた新国立競技場についても、「一生懸命働いた皆さんの税金を1円たりとも無駄にさせない」と述べ、総工費が高騰した旧計画の白紙撤回に向けた議論に火を付けた。
昨年秋から、政治資金や高額出張をめぐる問題が次々と浮上。パリやロンドンへの視察では往復266万円の航空機のファーストクラスに乗り、1泊約20万円のスイートルームに宿泊。今年4月1日の記者会見では「無駄は排しますが、必要なことは必要だ」と述べた。
都庁と神奈川県湯河原町の別荘との往復に公用車を使い、家族で泊まった千葉県内のホテルの費用を政治資金から支出していたことが判明し、都民らの批判が高まるなか、舛添氏は5月20日の会見で「いい仕事をして都民の信頼を回復したい」と謝罪。同月27日の会見では「全くの誤解もある」「疑惑でも何でもないものもある」と強気だった。
舛添氏の依頼で一連の疑惑を調査した弁護士は6月6日に調査報告書を公表。一部の支出について「不適切」と指摘したが、いずれも「違法性はない」と結論づけた。同10日の会見では「知事になってからは相当頑張って仕事をしたつもりなんです。そういうことでお返しをしたい。死んでも死にきれない」と述べていた。