八回表マーリンズ1死一塁、イチローはこの日3本目の安打を放つ=杉本康弘撮影
(13日、大リーグ)
打てない球はない――。マーリンズのイチローは、打席でそんな雰囲気すら漂わせる。今季4度目の1試合3安打以上で、日米通算は4255安打。ピート・ローズの持つ大リーグ最多4256安打についに王手をかけた。
イチロー3安打、最多記録へあと1本 大リーグ
不振の主砲スタントンに代わり、1番右翼で4試合ぶりに先発。先頭で迎えた三回に真ん中に甘く入った速球を左前へ運ぶと、「安打ショー」が始まった。
打者一巡し、2死三塁で迎えたこの回の2打席目は、遊撃への適時内野安打。2006年4月以来、約10年ぶりの1イニング2安打を記録すると、八回は内角高めの93マイル(約150キロ)の速球を流し打って、三塁線を抜く左前安打だ。
打線の起爆剤にと送り出した結果が、3安打2四球3得点。起用が的中したマッティングリー監督も「見ていて楽しい選手」と思わず表情が緩む。そしてここ数日の決まり文句「もう彼の年齢の話をするのはやめよう」が口から出る。それもそのはずで、最近1週間の打率は5割2分4厘。先発出場に限れば、4試合連続複数安打の好調ぶりだ。
試合後、イチロー自身は打撃には触れず、「捕手を見ながら」と好スライディングで先制点を挙げた一回を淡々と振り返った。早ければあすにもローズに並ぶ。指揮官は14日(日本時間15日午前11時すぎ試合開始予定)の起用法について言葉を濁したが、「こんな風に記録に関われてうれしいし、ワクワクしている」と記録達成を心待ちにしていた。(サンディエゴ=遠田寛生)