ローマ市長選で当選が確実となったラッジ氏=AFP時事
イタリアで19日、地方選の決選投票が即日開票され、首都ローマの市長選では、出口調査の結果、欧州連合(EU)の政策に懐疑的な野党「五つ星運動」のビルジニア・ラッジ氏(37)が7割近い得票でレンツィ首相率いる与党・民主党の対立候補を破り、当選が確実となった。地元メディアが一斉に伝えた。ローマ市長に女性が就任するのは初めて。
ローマ市長選、野党候補が優勢 初の女性市長誕生の公算
ローマ市長選、37歳女性候補が首位 決選投票へ
ラッジ氏は弁護士出身で、2013年に市議会議員に当選。今回の選挙戦では、腐敗の撲滅や不便な公共交通機関の改善、24年のオリンピック招致反対などを訴えた。市長当確後の記者会見では「新たな時代が始まる」と呼びかけ、市政の透明性回復に努めると抱負を述べた。
北部トリノの市長選でも、「五つ星運動」の女性候補、キアラ・アッペンディーノ氏(32)が現職(民主党)を下す見通しとなっている。与党への不満や政治に新風を求める世論が、両市で「五つ星運動」を躍進させた。
既存政党を批判する「五つ星運動」は、13年の総選挙で伸長。共通通貨ユーロに反対し、EUの移民政策を南欧諸国に重荷だと批判し、民主党政権を「弱腰」と非難する。地方選での勝利は、他の欧州のEU懐疑派にも影響を与えそうだ。(ローマ=山尾有紀恵)