東芝のパソコン事業の取引の流れ
不正会計が問題となった東芝の株主総会が22日に開かれる。新体制を発足させて刷新をアピールする一方、当時の社長らに巨額の損害賠償を求めた民事裁判では主張の対立が続く。証券取引等監視委員会も刑事告発するか見極めるための調査を続けている。
東芝は、社長を務めた西田厚聡、佐々木則夫、田中久雄の3氏を含む旧経営陣に賠償を求める訴訟を昨年11月、東京地裁に起こした。金融庁から過去最高額の73億円余の課徴金命令を受けたことも踏まえ、計32億円の支払いを求めた。
争点の一つが、578億円(税引き前)の利益のかさ上げが見つかったパソコン事業での不正会計に対する認識だ。自社で調達した部品を、パソコンの組み立てを委託する台湾のメーカーにいったん売却し、完成品を買い戻す「バイセル取引」と呼ばれる手法をとっていた。部品の調達価格が漏れないように、原価に上乗せして販売。2008年以降は部品販売が四半期ごとの決算期末に集中しており、翌期に買い戻すまでの間、一時的に利益を上げる形になっていた。