国際オリンピック委員会(IOC)は21日、8月のリオデジャネイロ五輪に向け、ロシアとケニアについて、ドーピングが問題視されている陸上競技だけでなく、全競技の選手が国外でドーピング検査を受けるよう国際競技団体に求めたと明らかにした。スイスのローザンヌでスポーツ界関係者を集めた「五輪サミット」の後の会見で、IOCのバッハ会長が述べた。
組織ぐるみのドーピングで国際陸上競技連盟は17日にロシアの資格停止処分継続を決め、陸上チームのリオ五輪出場を認めない裁定を下した。一方、ロシア国外に拠点があるなどドーピングに関与していないと証明できることを条件に参加申請できる規定を設け、この日の会合で協議された。
バッハ会長は会見で「国際陸連の決定を支持する」と述べ、ロシア、ケニア両国の検査機関は信頼できないとした上で「各競技の選手は、信頼できる検査機関で検査を受けるべきだ。違反選手はコーチや医師らを含めて五輪から排除する」と語った。ドーピングに関与していないと証明された選手は出場資格を得られ、ロシアの陸上選手でも国外を拠点などとし、潔白であればロシア選手団の一員として五輪出場を認められる。ケニアは世界反ドーピング機関(WADA)から問題を指摘されていた。(ローザンヌ=内海亮)