三菱自動車の純損益の推移
三菱自動車は22日、燃費不正問題が2017年3月期決算に及ぼす影響額が、販売減や顧客への賠償金などで計2050億円にのぼる見通しだと発表した。純損益は1450億円の赤字と8期ぶりに赤字転落する見込みで、業績の面でも重い代償を払うことになる。
三菱自動車、今期の純損失1450億円に 業績予想発表
三菱自動車の燃費偽装問題
不正の影響で開示を見合わせていた17年3月期の業績見通しを公表した。販売の減少などで、売上高は前年より16%減の1兆9100億円、営業利益は82%減の250億円とした。
黒井義博・経営企画本部長は22日の記者会見で、国内販売に「深刻な影響がある」と説明した。燃費偽装があった軽自動車の販売を停止したことやブランド失墜の影響で、国内の販売台数は前年の10万2千台から6万台と4割以上減り、うち軽は2万8千台で前年から半減する見通しだ。販売の落ち込みや販売対策費の増加などで、営業利益は550億円減少するという。
さらに1500億円の特別損失を計上する予定だ。偽装があった軽4車種の賠償など顧客への支払いに500億円、軽を供給する日産自動車や販売会社、部品メーカーへの補償などで1千億円をあてる。軽を中心につくる水島製作所(岡山県倉敷市)の生産が半減するリスクなども特別損失に織り込んだ。