消費者庁が公表した「ウィンドウズ10」の更新をめぐる注意点をまとめた資料
米マイクロソフトが提供する最新の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」への更新をめぐり、利用者から「勝手に更新された」といった不満の声があがっていることを受け、消費者庁は22日、更新に関する注意点をまとめ、同庁のホームページで公表した。
同庁が個別企業の商品・サービスに関して注意点を示すのは、欠陥に伴うリコールや悪質商法を除けば異例という。板東久美子長官は同日の定例会見で「消費者の関心があり、非常に広がりがある事柄であるため」と説明。全国の消費生活センターにも相談は寄せられているが、件数は非公表。
同社はセキュリティー向上などを理由に「10」への更新を推奨しており、7月29日までは無料で更新できる。当初は利用者が日時を設定し更新する方法だったが、5月中旬から同社が更新日時を指定し、画面に通知。利用者が日時の変更やキャンセルを行わない限り、自動的に更新する方法に改めたことから、知らぬ間に更新されたと感じた利用者などから不満が出ていた。
同庁は、更新すると、それまで使っていたウイルス対策などのソフトが使えなくなる恐れがあると指摘。利用中のソフトや周辺機器が「ウィンドウズ10」に対応するかどうか、更新前に確認するよう呼びかけている。
日本マイクロソフトの広報担当者は「消費者庁と連携して情報提供させてもらった。サイバー攻撃が高度化し、より安全性を高めるためにも無料期間中に更新してほしい」と話している。