堤防が決壊した猪之子川沿い。道路上には所々、雨水がたまっていた=24日午前10時41分、広島県福山市瀬戸町、橋本拓樹撮影
西日本に停滞している梅雨前線の影響で、中国地方を中心に24日朝から強い雨が降った。気象庁によると、広島、岡山県の南部で大雨、洪水警報などが出ている。梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、活動が活発化しているため、西日本では25日にかけて雷を伴う激しい雨が降る見込み。
広島で土砂崩れ、住宅全壊 近畿・中国などで激しい雨
同日午前6時までの24時間に予想される雨量は多いところで近畿地方が150ミリ、中国・四国地方が120ミリ。このため気象庁は土砂災害や河川の氾濫(はんらん)への注意を呼びかけている。
23日朝にかけて広範囲に冠水被害があった広島県福山市では24日午後1時現在、人的被害などは確認されていないが、市内全域で避難準備情報が出されている。河川の増水などで被害が拡大する恐れもあり、県と市は土砂災害などへの警戒を呼び掛けている。
猪之子(いのこ)川の堤防が決壊し、広範囲に冠水した福山市瀬戸町長和地区。決壊した部分は県が土囊(どのう)を積んで応急的に復旧させた。通行人の姿はなく、一部の道路では冠水しているところに雨が降り続いていた。
同県内では23日は小中高校など約350校が休校したり、始業時間を遅らせたりした。24日は決壊した堤防付近にある近畿大学付属広島高校・中学福山校が休校になった。
また、広島市内各地では避難勧告が発令されている。鉄道は、土砂が線路上に流出したため、JR呉線の三原―広間などで運転見合わせが続いている。山陽線でも線路脇に土砂が流出し、三原―白市間で一時運転を見合わせた。