各党の方針と支持者の投票行動
英国の最大野党・労働党では24日、コービン党首に党内から不信任動議が出るなど混乱が広がる。
特集:イギリス、EU離脱へ
同党の影の外相を務めるベン下院議員は26日朝、英BBCの番組でコービン氏について「よい人間だが、リーダーにふさわしくない」と発言した。英メディアによると、コービン氏は同日、党首辞任を求めたベン氏を「信任できない」として「影の閣僚」から解任したという。
アレクサンダー影の保健相もツイッターで辞表提出を報告した。影の教育相や青年・有権者登録担当相、交通相ら少なくとも5人が辞表を出した。
国民投票で労働党は、EU残留を掲げていた。党内では敗因について、もともとEUの財政緊縮路線に懐疑的だったコービン氏が残留を強く訴えず、支持者の説得に失敗したことが要因とみる向きが強い。
コービン氏は「反戦・反核・反緊縮」「大きな政府と公平な社会」を掲げる党内最左派だ。昨年9月の党首選で勝利し、2015年の総選挙で大敗した党の立て直しを託された。
「中道寄りの支持者が離れる」と不安視されたものの、ここまではキャメロン首相と党首討論で渡り合うなど、そつなく党をまとめていた。だが、このままだと次期総選挙を戦えないという声が高まっている。(ロンドン=渡辺志帆、山尾有紀恵)