30日に住宅1棟が崩落した現場。28日には住宅下の斜面が崩れていた=30日午前11時、長崎市御船蔵町、真野啓太撮影
梅雨前線は30日も九州付近に停滞し、鹿児島県内で猛烈な雨が降った。気象台は、今後も鹿児島、宮崎、熊本では土砂災害や河川の氾濫(はんらん)に警戒するよう呼びかけている。九州北部では一連の大雨の峠は越えたとみられる。
鹿児島県などの雨量計では30日朝、南九州市知覧町で1時間に82ミリの猛烈な雨を記録、鹿屋市でも66ミリを記録した。垂水市では30日午前8時過ぎ、市内を流れる深港川で土石流が発生したが、下流にある民家への影響はなく、けが人もなかった。現場近くでは昨年夏にも土砂崩れが発生している。
県内では27日の降り始めからの総雨量が500ミリ近くに達しているところもある。1日午前6時までに多いところで1時間70ミリ、24時間に150ミリの雨が降る見込み。鹿児島地方気象台は土砂災害などに注意を呼びかけている。
また、鹿児島県警によると、28日に姶良市蒲生町であった土砂崩れに巻き込まれ、意識不明だった上田(かんだ)久美子さん(52)が29日夜、鹿児島市内の病院で死亡した。死因は脳挫傷だった。
一方、28日に住宅地の斜面が崩れた長崎市御船蔵(おふなぐら)町では30日午前9時55分ごろ、斜面上にあった1棟が崩れ落ちた。市は29日に周辺の22世帯に避難指示を出し、住人は避難していた。市は周辺の立ち入りを規制し、警戒を続けている。