バングラデシュの首都ダッカで1日、武装グループによる立てこもり事件で負傷した男性がトラックに運び込まれた(ビデオ映像から)=AP
バングラデシュ治安当局は2日、現場のレストランに突入した治安部隊が人質13人を救出し、一方で20人が死亡したと発表した。軍の幹部は「犠牲者の多くは、突入作戦が始まるずっと前に、とがった武器で殺害されていた」と述べ、凶器として刃物が使われた可能性を示唆した。
特集:ダッカ襲撃事件
イタリア外務省は同日、イタリア人計9人の死亡を確認したとして氏名を発表した。5人が女性で、男性は4人。現地で働く企業関係者などだった。イタリアメディアによると、事件発生当時、店内では約10人のイタリア人客が二つのテーブルに分かれて座っていた。うち1人は電話のために席を外していて助かったが、1人の行方は確認できていない。イタリア人の料理人1人は厨房(ちゅうぼう)から屋根伝いで外に逃れたという。
インド外務省は、インド人大学生の死亡を発表。米エモリー大も、学生2人が死亡したとしたが、国籍は分かっていない。
武装グループは1日夜、レストランに侵入すると、「神は偉大なり」とアラビア語で叫んで発砲。客の外国人らを人質に立てこもった。駆けつけた治安部隊が攻撃を受け、隊員ら2人が死亡。当局側は夜明けを待って事件発生から約10時間後の2日午前7時40分ごろ、現場に突入した。作戦終了後、武装グループの6人を射殺したことを発表した。
事件を巡っては、過激派組織「イスラム国」(IS)のバングラデシュ支部を名乗り、「22人を殺害した」とする犯行声明が2日夜、インターネット上に出た。(ダッカ=都留悦史、五十嵐誠)