中国インターネット情報センター(CNNIC)が3日に発表した第47回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、2020年12月現在、中国のネットユーザーの規模は9億8900万人、スマートフォンユーザーの規模は9億8600万人、ネット普及率は70.4%に達した。新華デイリーテレグラフが伝えた。
これはつまり、10億人に迫るネットユーザーの膨大なデータの背後に、まだネット時代の「高速道路」に乗り入れていない人が4億人以上いるということだ。
4億人あまりはなぜネットを使わない?
同報告によれば、地域分布をみると、中国の非ネットユーザーは農村地域の人が中心で62.7%を占め、全国の農村人口の割合を23.3ポイント上回った。
ネットを使う技能がない、学歴による制約がある、年齢的要因、設備が足りないというのが、非ネットユーザーがネットを使わない主な原因だ。パソコンやスマホを操作できない、ネットに接続できる設備がない、中国語のピンイン(ローマ字)がわからない、年齢が小さい……客観的条件による制約が、非ネットユーザーのネットへのアクセスを遮る。
年齢分布を見ると、60歳及びそれ以上の高齢者が非ネットユーザーの中心だ。20年12月現在、非ネットユーザーのうち60歳以上の占める割合が46.0%に上った。
客観的な原因だけでなく、主観的な態度がネットの使用を拒絶する原因になる人もいる。中国電子技術標準化研究院情報セキュリティセンター測定評価実験室の何延哲副室長は、「年長者の一部はネットへの関心が低く、ネットにつながることのリスクを心配しており、これもネットの世界から遠ざかる原因だ」と指摘した。
非ネットユーザーがこの時代に困ること
ネットでの料金支払い、モバイル決済、QRコードによる料理の注文、遠隔授業、オンライン医療など、衣食住と移動のどれもインターネットと切り離せない現代社会にあって、非ネットユーザーはネットにつながれず、スマート化されたサービス体験を十分に享受することもできない。
20年以降、新型コロナウイルス感染症が個人、企業、政府を含む全方位的な社会のデジタル化モデル転換が加速的に推進されただけでなく、非ネットユーザーが時代の中でさらに困難を感じるようになった。
「ネットがあればどこにでも行けるが、ネットがなければ1歩も進めない」。大勢の非ネットユーザーの存在は、ネットインフラがまだ脆弱なエリアがあるということを物語る。
同報告によれば、非ネットユーザーにとって「ネットに接続しないことでもたらされる生活上のさまざまな不便」の中で、1番目にくるのは「健康コードがないため、一部の公共の場所に出入りできない」で27.2%に達した。2番目は「現金決済ができない」で25.8%、以下、「チケット類が買えない」と「各種の申し込みができない」が24.9%、「オフライン営業所が減って、いろいろなことが難しくなった」が24.6%、「情報をすぐに取得できない」が22.9%だった。
「木桶に入る水の量は一番短い板によって決まる」。ネットが現代社会にもたらしたのは「便利さ」と「不便さ」の格差だけでなく、平等な教育、文化的包摂、社会正義の獲得感や幸福感にも関わる問題だ。
第14次五カ年計画期間は中国が小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成から社会主義現代化の基本的実現へと前進する重要な時期だ。工業・情報化部(省)によると、既存のインフラのデジタル化改良を推進し、次世代情報インフラの応用環境を構築する必要があるという。
教育部科学技術司の雷朝滋司長は、「教育部は関係当局と協調して教育専用ネットワークの構築の展開を支援し、第14次五カ年計画期間に全国をカバーする快速、安定、グリーン、安全、管理・コントロール可能な国家の教育専用ネットワークを構築し、各レベル・各種類の教育機関と農村の教育施設に行き渡らせ、すべての子どもに平等に質の高い教育資源にアクセスできる機会を与えることを目指す」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月5日