ジュンク堂書店難波店の福嶋聡店長らがすすめる「投票前に読んでほしい本」の一部
参院選(10日投開票)での大切な一票。その投じ先を考える手がかりになりえるのは? 書店で、映画館で、「おすすめ作品」を尋ねた。
特集:2016参院選
候補者のスタンスは?朝日・東大谷口研究室調査
特集:18歳選挙権
「まずは『18歳からの民主主義』(岩波新書編集部編、岩波新書、840円)ですね」。ヘイトスピーチの問題を問う特設コーナーを開くなど個性的な店づくりをしてきたジュンク堂書店難波店(大阪市)の福嶋聡(あきら)店長(57)は言う。国会や選挙の仕組みのほか、憲法、消費税、教育といったテーマも網羅しており、「大人も読んでほしい」。
様々な課題を深く理解するために役立つかもしれないというのは、映画監督ら30人の声を集めた「はじめて投票するあなたへ、どうしても伝えておきたいことがあります。」(監修・津田大介、ブルーシープ、1400円)と、気鋭の憲法学者・木村草太さんの「憲法の創造力」(NHK出版新書、780円)。
民主主義を多角的にとらえるなら、「ぼくらの民主主義なんだぜ」(高橋源一郎、朝日新書、780円)と「民主主義という病(やま)い」(小林よしのり、幻冬舎、1500円)の2冊を併せ読むことを薦める。生活保護部門の自治体職員が奮闘する漫画「健康で文化的な最低限度の生活」(柏木ハルコ、小学館、552円)には、福祉のあり方を考えるヒントが多いという。
コミック担当の鍋島千輝(ちあき)さん(30)のおすすめは、武士の生き様に光を当てた「葉隠(はがくれ)物語」(原作・安部龍太郎、作画・藤原芳秀、リイド社、730円)だ。「武士の思想や行動様式は現代社会に色濃く影響しています。あえて『ルーツ』をたどってみては?」と提案している。(価格はいずれも税抜き)(阪本輝昭)
■そのままずばり「選挙」
社会問題に迫るドキュメンタリー映画などを上映する第七藝術劇場(大阪・十三)の支配人・松村厚さん(54)のおすすめは、そのままずばり「選挙」(2007年、想田和弘監督)。05年の川崎市議補選に立候補して当選した新顔の選挙戦に密着した記録映画だ。
名前を連呼したり、有権者と一…