4日、爆発が起きたサウジアラビア・メディナにある「預言者のモスク」の警備拠点前=AFP時事
ダッカの人質立てこもり事件の実行犯とみられるバングラデシュの青年たちは、インターネットを通じてテロリストの世界に足を踏み入れた可能性が高い。断食月(ラマダン)が終わる時期に、各国でテロが連鎖している。ネット空間にできた「テロネットワーク」が現実の世界を脅かす。
ダッカ襲撃実行犯、ISとネットで連携か 内相が会見
特集:ダッカ襲撃事件
過激派組織「イスラム国」(IS)は5月下旬、広報担当とされる人物の音声メッセージをネット上に公開した。「ラマダンが始まる。ジハード(聖戦)と戦闘、征服の月だ。あらゆる場所で不信心者に懲罰を与えろ」と呼びかけた。
ラマダンは地域によって差があるが、今年はおおむね6月6日ごろに始まり、1カ月間続く。
呼びかけに呼応するかのように同12日、米国フロリダ州のナイトクラブで男が銃を乱射し、49人が死亡。同28日にはトルコ・イスタンブールの国際空港で武装した3人による発砲と自爆で44人が死亡した。
ISは同21日、インドネシア、マレーシア、フィリピンにいるIS信奉者に対してもジハードに加わるよう動画で呼びかけた。
マレーシア・クアラルンプール郊外のナイトクラブでは同28日、爆弾事件が発生。地元警察はISが関与したと認めた。
今月5日朝にはインドネシアのジャワ島中部ソロの警察署敷地内で自爆とみられる爆発があり、警察官1人が負傷した。
ISは従来、イラクとシリアの支配領域を維持することに目標を置いていた。しかし、いまは世界にテロを拡散させる戦略に転換したとされる。
イスラムの教えでは、ラマダン…