余震が頻発する中、脱線した車両を動かす作業が続いた=4月18日、熊本市西区(JR九州提供)
九州新幹線は4日、運行本数が通常に戻り、ほぼ復旧した。熊本地震で脱線し、設備が損傷。4月14日夜に運転を見合わせ、その後、再開したが、地震の傷痕を引きずっていた。復旧には多くの苦労があり、JR九州には安全を目指すための教訓が残った。
九州新幹線の車両整備を担う熊本総合車両所(熊本市)。大坪孝一所長(49)は4日朝、所員に「色々と大変だったが、よくここまで来た」と、感慨深げに語った。
4月14日の前震の夜、自宅に着くと同時に経験したことのない揺れを感じた。急いで職場へ戻る途中、メールで「回送中の新幹線6両全てが脱線した」との情報が入った。現場を確認できたのは翌朝。24本ある車輪軸のうち、22本が線路から外れていた。16日の本震で、車両はさらに横へ最大23センチ動いた。
現場は熊本駅から南に1・3キ…