自民党東京都連は10日夜、幹部会を開き、都知事選(14日告示)に元総務相で岩手県知事を務めた増田寛也氏(64)を推薦する方針を決めた。増田氏は11日午後に記者会見を開き、立候補を正式に表明する。小池百合子衆院議員(63)も立候補する構えで、都知事選では1999年以来、17年ぶりに「保守分裂選挙」になる。
特集:2016東京都知事選
増田氏は10日夜、都連を訪れて推薦を依頼。取材に「都政を担う覚悟をした。たびたび都のトップが代わる混乱を、現場で汗をかいている方が非常に心配している。その声が背中を押した」と意欲を語った。増田氏は11日午前、公明会館を訪れ、立候補のあいさつと推薦を依頼した。面会した高木陽介都本部代表は「大変見識のある方だ」と増田氏を評価し、推薦に前向きな考えを示した。増田氏は、取材に対して「広く各党、各組織の方に、可能であればお願いに上がりたいと考えている」と話した。
一方、10日に自民都連への推薦依頼を取り下げた小池氏は11日朝、報道陣に「ありとあらゆる外堀が、自民党員でない方に固まってきている。『都議会のドン』の支配ではなく、都民のための都政を取り戻すと訴えたい」と述べ、都連との対決姿勢を鮮明にした。
都連は11日午前、地方議員らも集めた緊急会議を開催。増田氏への推薦を正式に決め、党本部にあげる。
99年の都知事選では、自民党が推薦した明石康氏と、自民出身の石原慎太郎氏、柿沢弘治氏が争い、石原氏が初当選した。
また、民進党都連が知事選の候補者として調整している長島昭久衆院議員(54)は11日午後、立候補を要請していた都議会民進の総会に出席する。不出馬の意向を伝えるとみられる。
同党都連は、長島氏と並行して元神奈川県知事の松沢成文(しげふみ)参院議員(58)、元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)も候補者として検討していた。民進関係者によると、11日までに松沢氏擁立の可能性は消えたが、古賀氏については「野党4党の枠組みの中で十分戦える」として引き続き打診を続けるという。
都知事選では、宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長(69)も11日に立候補を表明する。俳優の石田純一氏(62)も出馬に意欲を示している。