野球賭博を手助けしていたなどとして賭博開帳図利幇助(ほうじょ)と常習賭博の罪に問われたプロ野球・巨人の元投手、笠原将生被告(25)と、賭博開帳図利の罪に問われた胴元で飲食店従業員の斉藤聡被告(38)の初公判が11日、東京地裁(細谷泰暢裁判官)であった。
笠原元投手、起訴内容認める 野球賭博問題
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両被告は起訴内容を認めたものの、2人の弁護人は笠原被告の常習賭博罪についてのみ認め、「賭博場は存在しない」として斉藤被告の賭博開帳図利罪と、笠原被告の同幇助罪について無罪を主張した。
検察側は、「これまでに野球賭博で1575万円を賭けた。当時、(巨人の)チーム内でトランプを使った賭け事をしていて、大きな抵抗はなかった」とする笠原被告の供述調書を読み上げた。
検察側の冒頭陳述によると、笠原被告は2013年10月ごろ、知人の紹介で斉藤被告と知り合い、14年4月ごろから斉藤被告が胴元の野球賭博に参加するようになったという。その後、笠原被告が巨人の松本竜也(23)、高木京介(26)の両元投手を勧誘。野球賭博のルールなどを教え、斉藤被告の代わりに賭博の申し込みを受け付けるなどしていたと指摘した。
検察側によると、野球賭博の胴元は大、中、小と3段階に分かれており、斉藤被告は「小胴元」だったという。斉藤被告は、勝った客から1割の手数料などを得る一方、どちらかのチームに賭け金が偏った場合は、上位組織の「中胴元」に賭け直して、多額の損失が出るリスクを回避していた、と指摘した。(塩入彩)