松坂桃李=岡田晃奈撮影
冷徹な殺し屋に世話好きなオネエ、セックス依存症の男……。イメージを裏切る役柄に次々と挑戦し、俳優としての幅を広げてきた。2年ぶりの舞台「娼年(しょうねん)」で演じるのは、お金をもらって女性と交わる男娼の青年だ。過激な性描写も予想されるが、出演依頼に「ぜひ」と即答したという。「これまで演じたのとは違う作品。終わったときに、また違う何かが得られるという思いが大きかった」と貪欲(どんよく)さをにじませる。
原作は石田衣良の小説。ボーイズクラブのオーナー(高岡早紀)と出会い、娼夫として働くことになった領(松坂)は、女性たちの秘められた欲望を引き出していく仕事にやりがいを見いだしていく。
原作を読み、「登場人物のそれぞれが弱さやコンプレックスを抱えていて、触れ合うことによって、愛情、優しさがあふれてくる作品」と感じた。性的な場面も「いやらしいとかではなく、とても美しいものという印象を受けた」と語る。
脚本・演出は劇団ポツドール主宰の三浦大輔。人間の本能を赤裸々に描き出す作風で知られる。「石田さんの小説が三浦さんの演出でどうなっていくのか。この組み合わせに面白みがある」と期待する。
舞台の手ごわさを「鮮度を保つ…