改良が進んだ時期の村上安吉の潜水具(1930年、豪州・ブルーム、津田睦美・成安造形大学教授提供) 潜水活動を大幅に自由にしたスキューバが開発される以前、戦前の豪州で独自に改良型の潜水具を発明した移民の日本人がいた。和歌山出身の村上安吉(1880~1944)。潜水具で特許を取り、豪州に初めて真珠の養殖を導入しながら、日米開戦で収容所へ送られて病死した。近年、その再評価が進んでいる。 村上は和歌山県田並(現・串本町)で生まれた。1897年に豪州へ渡って北西部の街ブルームで商店経営を手がけ、日本人の移民社会で世話役となった。1910年代から豪州人の実業家と合同で、当時盛んだった真珠採取を手がけた。 日本で御木本幸吉が編み出した真珠養殖は現地に導入されておらず、移民の多くが潜水夫として天然真珠の採取をしていた。当時の潜水服は1836年開発の旧型で、圧力の急変が血管内に気泡を発生させて身体に障害を起こす「潜水病」が多発した。1913年に同地で28人が潜水病で死亡し、村上は潜水服の改良に取り組む決心をした。 試行錯誤の末、村上は20年代中ごろまでに改良型の潜水具を発明。大型ヘルメットの中へ空気を送り込む従来型とは異なり、口にくわえるマウスピースと空気の流れを一方向にする弁を使い、呼吸を楽にし、水中の行動範囲を飛躍的に増大させる仕組みだった。 ■太平洋戦争開戦で収容所送りに 改良の末、28年には豪州や米国で特許を取得した。さらに改良を進めたタイプは、背中に圧縮空気入りの補助ボンベも備えていた。ところが、当時の移民社会で、村上の潜水服は商品として普及するまでには至らなかった。 村上はその頃、真円真珠の養殖を導入したが、価格の暴落を恐れた同業者のボイコットに遭って挫折し、36年には家族とダーウィンへ移住して写真館を開業。当時の「白豪主義」で帰化は認められず、41年12月に太平洋戦争が始まると、内陸部のタツラ収容所へ送られた。砂漠の慣れない環境で収容棟のリーダーを務めたが、44年6月26日、心臓病のため63歳で死去した。 戦後に日本へ引き揚げ、今は川… |
スキューバに先駆けた日本人 豪収容所で病死、再評価も
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