トルコのクーデター未遂事件を受けて、航空会社ターキッシュ・エアラインズは、25日までに乗務員ら従業員211人を解雇した。AFP通信などが伝えた。同社はトルコ政府系で、国を代表する「ナショナルフラッグ・キャリアー」。政府は事件後、公務員や教員らを相次いで停職や解職などの処分にしている。
特集:トルコでクーデター未遂
AFP通信によると、同社は解雇の理由について、トルコ政府がクーデター未遂の「首謀者」とみなす米国亡命中のイスラム教指導者ギュレン師やその団体との関係が疑われる、などとしている。クーデター未遂以降、政府はギュレン師らと関係があるなどとして、公務員ら6万人超を矢継ぎ早に拘束、解職、停職にしており、締め付けがさらに広がる可能性がある。
また、エルドアン大統領は25日、大統領公邸で与野党3党首と会談し、クーデター未遂後の対応について協議、意見交換をした。エルドアン氏が与野党党首と同時に会合を持つのは異例で、非常事態宣言下で、国内外に向けて国が一丸となっている姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。AFP通信によると、ユルドゥルム首相は首都アンカラで、「各党が新たな憲法に向けて取り組む準備があることが、会談で明らかになった」と話した。
会談には、与党・公正発展党(AKP)、最大野党で世俗派の共和人民党(CHP)、民族主義者行動党(MHP)の党首が出席したが、クルド系の人民民主主義党(HDP)は招かれなかった。(イスタンブール=高野裕介)