マイケル・ブルームバーグ氏=AP
ニューヨーク前市長のマイケル・ブルームバーグ氏(74)が27日、民主党大会で演説し、クリントン前国務長官(68)への支持を打ち出した。米国有数の資産家のブルームバーグ氏は民主、共和の両党と距離を置き、自ら今年の大統領選に立候補することも検討していたほどだが、共和党のトランプ氏(70)が大統領になることを阻止する目的もあり、クリントン氏の応援を決めた。
米大統領選挙2016
演説でブルームバーグ氏は「トランプ氏が最も豊かなのは、その偽善ぶりだ」「ビジネスマンの大統領の魅力は分かるが、トランプ氏のビジネスプランは大失敗に向かっている」と批判。クリントン氏に欠点があると認めつつ「この選挙で正しい選択であり、責任ある選択だ」と発言。無党派層に対して「党への忠誠ではなく、愛国のために集まり、正気で能力がある人を当選させよう」と呼びかけた。
ブルームバーグ氏は市長在任中から銃規制の大切さを訴えており、この問題で共和党と対立することも多い。米国内で銃犯罪が続くなか、クリントン陣営も過去にないほどに銃規制を前面に出しており、27日にはフロリダ州のナイトクラブやコネティカット州の小学校の銃乱射事件の犠牲者らも相次いで演説した。
11年に銃撃されて瀕死(ひんし)の重傷を負い、現在も後遺症が残るガブリエル・ギフォーズ元下院議員(46)も登壇してクリントン氏支持を表明。「私にとって(後遺症のため)しゃべることは難しいけれど、来年1月には『マダム・プレジデント(女性大統領への敬称)』という二つの単語を話したい」と語った。(フィラデルフィア=中井大助)