スマートフォンなどに使われるソニーのリチウムイオン電池=ソニー提供
ソニーは28日、リチウム電池事業からの撤退を発表した。2017年3月末をめどに事業を村田製作所に売却する。電池はソニーが世界で初めて商品化し、他社を含むパソコンや携帯電話に幅広く使われたが、近年は中韓勢との価格競争で赤字が続いていた。今後は経営資源を画像センサーなどに集中させる。
譲渡の範囲や売却額を両社で決め、10月中旬の正式契約をめざす。中心となるのは、生産・開発を担う完全子会社「ソニーエナジー・デバイス」(福島県郡山市)や、中国、シンガポールの工場となる。
グループ従業員の6%強にあたる約8500人が村田に転籍する見通し。ソニーは乾電池やスマートフォン用充電池(モバイルバッテリー)など、個人向け販売だけ残す考えだ。
ソニーが1991年に商品化したリチウムイオン電池は、まずビデオカメラに搭載された。その後、パソコンにも広がり、いまではスマホや自動車など世界中で幅広く使われている。
00年代半ばまで積極的に事業…