今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)にはぜいたく品ブランドがことのほか熱かった。売り始めるとすぐ売り切れ、再入荷するとまたすぐ売り切れ、ブランド側は海外から緊急に商品を調達しなければならず、クロエ、IWC、バレンシアガなどの「ビッグブランド」を含む人気のファッション小物65ブランドはいずれも世界から中国市場向けに商品を調達した。
中国のぜいたく品消費はなぜ増加し続けるのだろうか。
これまでの10年間を振り返ると、中国の消費市場は全体として日進月歩で成長してきた。10年前に都市世帯で可処分所得が14万元(1元は約15.9円)以下が92%だったが、今は半分以上が富裕世帯の仲間入りをし、可処分所得は14万-30万元に達した。
収入が増加して基本的な生活ニーズが満たされると、今度はより高い生活の質を追求し始める。
消費力が高まると、商品を選ぶ時にますますブランドを重視し、健康を大切にし、ファッションを追求し、個性の発揮を大事にするようになり、商品の品質に対する要求も大幅に上昇し、高級消費財やよりよいサービス体験のためならプレミアムを支払ってよいと考えるようになる。
もちろん、買うには商品がなければならない。
中国内外でぜいたく品にかかる税率が異なるため、多くの人は海外に出かけて購入し、代理購入業界もこうした状況の中で誕生した。
ここ数年、国はさまざまな関税引き下げ措置、付加価値税引き下げ措置、消費財の行郵税(個人の輸入物品に対する関税)引き下げ措置を打ち出し、国内の高級ぜいたく品ブランドの敷居も下げた。
2019年4月、国務院は一部の日用消費財の行郵税の税率引き下げを発表し、これには一部の高価なアクセサリー類・ジュエリー類、高級腕時計、高級化粧品などが対象に含まれ、税率はそれ以前の60%が50%に引き下げられた。
同時に、今年は海南省の「旅行+免税」政策がさらにバージョンアップしたため、ぜいたく品消費が国内に還流し、中所得・高所得層の消費のポテンシャルが十分に発揮され、高級消費財を積極的に活性化する役割を果たした。
さらにここ数年、インターネットの応用が人々の心に深く入り込み、ぜいたく品のマーケティングルートがデジタル化への変革を遂げ、高級消費財がさらに手の届きやすいものになった。
ぜいたく品消費のルートが高度にデジタル化し細分化する中で、若い消費層はSNSやオンラインプラットフォームで情報を得ることができ、買い物も実店舗だけとは限らなくなり、代理購入、オンラインモール、ブランドの公式アカウント、ミニプログラム、SNSなど新しい購入スタイルが次々に登場した。
特に今年は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、オンラインルートで買い物をする消費者が目に見えて増加し、国内でのオフライン消費が海外でのショッピングや代理購入にほぼ取って代わり、中国人が各種ぜいたく品を手に入れるためにかかるコストが大幅に低下した。
中国市場はぜいたく品メーカーに「複雑で挑戦に満ちた市場」とされており、ますます多くのぜいたく品ブランドが中国国内の販路を絶えず拡大するようになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年12月3日