メキシコ戦で本塁打を放ち、チームメートに迎えられるベネズエラのマルティネス=AP
強豪ベネズエラが首の皮一枚で残った。12日の1次リーグD組のメキシコ戦で9―11で敗れ、いったんは「1次リーグ敗退」と発表されたが、大会側が訂正。イタリアとのプレーオフに臨むことになった。
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D組は3連勝のプエルトリコが2次リーグ進出を決め、ベネズエラ、メキシコ、イタリアの3チームが1勝2敗に。当該チーム間の2試合の失点率(失点を守備についたイニング数で割った数)で1チームが脱落するが、AP通信によると、WBCの公式ツイッターは「ベネズエラが1次リーグ敗退」と伝えたという。
ところが試合後、失点率の計算に誤りがあったと伝えられた。再計算したところ、イタリアが1・05、ベネズエラ1・11、メキシコ1・12。その結果、敗退はメキシコとなった。ベネズエラのビスケル監督は、記者会見で米メディアなどに「とても驚いた。髪の毛一本ぐらいの差。だが、もう一度チャンスをもらえてうれしく思う」と話した。
どこで間違ったかは明確にされていないが、9日に行われたメキシコ―イタリア戦で、九回裏にメキシコが1死も取れず5失点し、サヨナラ負けを喫した場面の解釈が違っていたとみられる。これに対し、メキシコは猛抗議したが、覆らなかった。主砲のエイドリアン・ゴンザレスは自身のツイッターで、メキシコが得失点差ではベネズエラを上回る内容を指摘し、「すばらしい大会方式だよ」と皮肉交じりに批判した。
ベネズエラは、2012年にア・リーグ三冠王を獲得したカブレラ(タイガース)や、昨年まで3年連続200安打以上でア・リーグ最多安打のアルトゥーベ(アストロズ)ら強打者がそろうスター軍団。大会前には優勝候補の一角に挙げられた。
C組はドミニカ共和国と米国が2次リーグに進んだ。(遠田寛生)