楽天の三木谷浩史会長兼社長の一問一答は以下の通り。
楽天20年目、海外戦略に壁 三木谷氏が考える打開策
――楽天の創業から20年目を迎えました。
「ネットを通じたビジネスをライフワークにしようと思ったのが20年前。すごい革命が起きるんだろうなという風に思っていた。ただ、変革は想定をはるかに上回る、人間の歴史を変えてしまうくらいの大きなものだった。今後はさらに変革が起こるわくわく感がある一方、変化のあまりの大きさに日本が遅れなければいいと思う」
――早い段階で社内言語の英語化を打ち出しました。外国人社員が増えてわかったことはありますか。
「ダイナミックな技術革新が起こるなかで多種多様な価値観や視点を持つことが重要だ。それには世界からやはり優秀な人材を集める戦略が必要だ。日本語だけだと限界があり、最終的に生き残れないと思ってやってきた。実施してわかったのは、東京や日本が外国人に人気があるということ。優秀な人が集まってくる。これによって十分世界と競争できる人材の獲得ができてくると思っている」
――一方、海外展開の見直しが続いています。
「欧州や東南アジアは選択と集中が必要。優先順位をつけて、戦略的地域を決めた。規模が小さい英国とスペイン、東南アジアの国はいったん閉鎖して、残りに経営資源を再配分する判断をした。残した地域は大変好調に成長している。一方で、アメリカは大成功をしている。これまで楽天市場を中核事業に成長してきたが、アメリカで展開しているキャッシュバックサイトのイーベイツは勢いがよい。従前から大切に育ててきたビジネスモデルをやってきているが、新しい形も追求しなくてはいけない」
――これまで世界に幅広く展開していたのは、市場調査のようなものだったのでしょうか。
「そうだ。(日本の)楽天市場は非常に順調だったので、外国に展開しても成長できると思ったが難しかった。当初考えていたネット通販を第一としたものから修正するという決断をした。ただ台湾は楽天カードも実はすごく順調。日本の楽天よりうまくいっている感じだ。中国は失敗したと。それから成功している国と失敗しているところがあって、大きいマーケットは中途半端にやってもしょうがない。選択と集中が必要だ」
――2020年に海外割合について5割くらいを目指していました。
「イーベイツの収益の伸びなどでもしかしたら到達できるかもしれないが、今はそこまで厳格には考えていない。とりあえず20年に海外も含め営業利益3千億円という目標を実現したい」
――国内のネット通販ではアマ…