選手村のパブリックスペースでくつろぐドイツの選手たち=29日、ブラジル・リオデジャネイロ、西畑志朗撮影
南米大陸初のオリンピックとなるブラジル・リオデジャネイロ五輪は8月5日(日本時間6日朝)に開会式が行われる。街は少しずつざわめき、選手たちは世界中から続々と到着している。そんな中、犯罪が多発する街の治安への懸念やテロのリスクに加え、完成したはずの選手村で不備が相次ぐ。懸案を抱えたまま本番を迎えることになりそうだ。
特集:2016リオオリンピック
大会の主役である選手にとって、今もっとも怖いのは住居の問題かもしれない。「前代未聞。とてもトップ選手を迎える環境ではない」。各国から不満が噴出したのが、31棟のマンション群からなる選手村だ。
24日の開村式典で、組織委のヌズマン会長は「史上最も優れた選手村だ」と壇上でまくし立てた。だが実はその時、3500以上ある部屋の約半分の仕上げ工事や清掃、安全点検が終わっていなかった。
「これでは選手の安全を確保できない」。オーストラリアの五輪委員会は、トイレが流れない、ガス臭い、電気配線がむき出しで危険など約200項目にわたる不備を指摘し、選手の入村をいったん保留。アルゼンチンも同様の理由で、一部選手の入居を見送った。
慌てた組織委は急きょ、630…