空手の演武を披露して、正式種目決定を祝う少年少女ら=4日、那覇市、吉田拓史撮影
2020年東京五輪で新たに5競技の追加が4日(日本時間)に決まり、空手が初めて採用された。「空手発祥の地」を国内外に発信している沖縄県では、選手や関係者たちが一様に歓喜の声を上げた。翁長雄志(おながたけし)知事は「沖縄での競技の一部開催も要請したい」とのメッセージを出した。
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「沖縄からメダリストを出したい」。県空手道連盟の照屋幸栄会長は同日の記者会見で、そう意気込んだ。
会見に参加し、演武を披露した浦添市立浦城小6年、田場琳奈(りんな)さん(11)は「今日この瞬間、私の夢は五輪に出場して優勝することに変わりました」と話した。8月に東京で行われる全国大会で優勝を目指す。
県は今年4月、「空手振興課」を設置し、伝統文化としての空手の保存継承などに取り組んでいる。また、来年3月には豊見城(とみぐすく)市に沖縄空手会館を開く。
東京五輪の競技会場は、日本武道館(東京)が予定されている。ただ、対戦型の「組手」と突きや蹴りの正確さを競う「形」の2種目があるため、翁長知事は「発祥の地」として一部だけでも開催することを要請したい考えだ。合わせて五輪の予選や各国代表選手の合宿なども誘致していく。
県によると、空手は700年ほど前に沖縄で生まれ、武器を持たない生活習慣の中で発展してきた。県内には400余りの道場があり、愛好家は数万人に上る。(吉田拓史)