廃棄物を載せたまま、仮置き場近くのガソリンスタンド跡地に駐車したトラック=大阪府豊能町
大阪府能勢町と豊能町でつくる豊能郡環境施設組合が、ダイオキシンを含む廃棄物を神戸市に無断で同市内の最終処分場に埋め立てた問題で、組合は5日、処分場から廃棄物の搬出を始めたが、豊能町の山林に設けた仮置き場周辺の住民らが抗議したため、この日の搬入は断念。搬出された廃棄物は、トラックに載せられたまま同町内に留め置かれた形となっている。
ダイオキシン汚染物、搬入を断念 住民反発「説明ない」
廃棄物は土砂状の約300立方メートルで、化学繊維製の袋に分けてトラックで搬出。5台で1日2往復し、10日までに搬入を終える予定だった。
ところが、この日、仮置き場の出入り口付近に周辺住民や山林に隣接する兵庫県川西市の市議らが立ちふさがって抗議。組合管理者の田中龍一・豊能町長が説得にあたったが、住民らは納得せずに説明会を求めた。廃棄物を載せたトラック5台は仮置き場付近のガソリンスタンド跡地に駐車したままとなっている。
組合は5日夜、川西市大和地区で説明会を開いたが、住民から「(豊能町の)役場に置けばいい」などの声が相次ぎ、議論は平行線のまま終わった。6日は豊能町内で開く。
また、5日の搬入断念を受け、神戸市は「10日までに廃棄物を撤去するよう、組合に対し強く要求してまいります」とのコメントを出した。搬入の見通しは立っておらず、周辺住民と神戸市との間で板挟みの状態となっている。