作曲家でボサノバの創設者といわれるアントニオ・カルロス・ジョビンの映像が投影された=長島一浩撮影
暗闇に浮かぶマラカナン競技場から次々と花火が打ち上がった。場内の歓声とともに、リオ五輪の開会式が始まった。
リオオリンピック
日程・記録
ブラジル国歌の演奏を担ったのは、人気サンバ歌手のパウリーニョ・ダビオラさん(73)。アコースティックギターを弾きながら、情感にあふれる声で歌いあげた。
続いてブラジルの歴史がダイナミックな演出でつづられた。熱帯雨林のアマゾンとインディオ。ポルトガルからの移民。大きな赤い羽根を持ち、日の丸を象徴する白と赤の衣装を身につけた人たちの行進は、日系移民がこの国に残してきた足跡を表現した。アフリカから奴隷として連れてこられた人々の苦しみも、厳しい労働の様子を再現して表した。
最後はリオの現代だ。近代建築の近くにファベーラ(スラム街)が広がる街で奏でられるのは、リオで生まれた音楽、ボサノバ。トム・ジョビンが作った世界的な名曲「イパネマの娘」を、孫のダニエル・ジョビンさん(43)がピアノの弾き語りで聞かせた。さらに、ブラジルで流行した曲が流れると、会場の観客は一緒になって跳んだりはねたりして楽しんだ。
終盤の演出は、環境問題に焦点…