安倍晋三首相は9日、長崎市内で記者会見し、天皇陛下が生前退位の意向を強くにじませたお気持ちを表明したことについて、「重く受け止めている。天皇陛下のご公務の在り方などについては、陛下のご年齢やご公務の負担の現状に鑑み、陛下のご心労に思いを致し、どのようなことができるのか、これから十分に議論し、検討を行っていきたい」と述べた。
天皇陛下、お気持ちを表明 ビデオメッセージ
会見では検討の時期なども問われたが、首相は「まさにこれからどのような対応をしていくべきなのか、しっかりと考えていきたい」と述べるにとどめた。
自民党の高村正彦副総裁は同日の党役員連絡会で、「国民の幅広い合意に基づいて、象徴天皇制はいかにあるべきかという制度設計の作業もしなければならなくなるかもしれない。拙速はいけないが、ただ時間をかければいいわけでもない」と発言。細田博之総務会長は記者会見で、「陛下のお考えをどのように制度に反映できるか、専門家によく議論していただくのが一番いい」と強調。政府が有識者会議を設置し、皇室典範改正などを検討するのが望ましいとの考えを示した。