長崎商―山梨学院 四回裏山梨学院無死、松尾は中前安打を放つ。投手本田①、捕手小出=上田博志撮影
(9日、高校野球 山梨学院5―3長崎商)
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ボールカウントは2―2。守る山梨学院は3点をリードした六回2死一、二塁のこの場面で、吉松から栗尾にマウンドを託した。
「根拠はないが、打たれそうな予感がしたので」。吉田監督は説明したが、安打と四球で高まりつつあった相手の反撃ムードは確かにそがれた。間を置かれた長崎商の4番小出は、初球のスライダーにやや泳がされ、左飛に打ち取られた。
「いつでも行ける準備はできていた」と栗尾は言い、無失点で退いた吉松は「次の回に栗尾が投げやすいから」と意に介さない。山梨大会で打率4割9分、5試合で77得点と打撃に目が向くが、どんな場面でも慌てず騒がず継投策を打てることもひそかな武器だ。
山梨大会では大差の試合ばかりだった。終盤までの競り合いに「最後は硬くなった」と栗尾。終盤に相手の粘りを振り切り、チームの経験値は一つ上がった。(山田佳毅)