力投する尽誠学園の渡辺=阪神甲子園球場、伊藤進之介撮影
(12日、高校野球 作新学院3―0尽誠学園)
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七回2死、尽誠学園の渡辺は3失点目のソロ本塁打を浴びた。「気にしても仕方ない」。さらにピンチは続き、満塁に。マウンドにきた捕手の松原に言った。「まっすぐとスライダーでいこ」。直球だけで2ストライクに追い込み、最後は外角のスライダーで3球三振に。「後半みたいな投球を前半にしたかった」
そう悔やんだのが立ち上がり。先頭を死球で出し、そこから2安打を浴びるなど9球で2失点し、「緊張して体が動かなかった」。それでも、渡辺の顔に涙はなかった。「たくさんの人の前で楽しかったから」
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●松井監督(尽) 「九回も1死から走者を出して、いい打球を飛ばした。うちらしい粘り強い野球は出来た。下級生には大きな財産になる」
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●中原(尽) チーム唯一の2安打。「球が速いのは分かっていたので、高めと低めを見極めて振った。2年なので、もう一度この舞台に帰ってきたい」