森友学園との国有地取引をめぐり、会計検査院は19日、財務省の決裁文書の改ざんが判明したことを受けた追加検査の中間報告を、参院予算委員会理事懇談会に提出した。同省が改ざん文書を検査院に提出した行為を違法だと認定。今後、関わった職員らの懲戒処分を求めるか検討する。
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検査途中の内容を明らかにするのは異例だが、改ざん文書の提出といった行為があったことなどを踏まえ、「特例的に報告する必要がある」と判断した。
検査院は今回、昨年の検査時に財務省が改ざん文書を提出したのは、検査院の求めに応じて資料を提出することを義務づけた会計検査院法に違反すると認定。学園との交渉記録を提出しなかったことも含め、故意や重大な過失が認められれば、懲戒処分を求める可能性がある。
また、2015年5月に土地の貸し付け契約を結ぶ前、近畿財務局が学園側に貸付料の概算額を伝えていたことを、改ざん前の決裁文書などにより確認。「有利な価格で契約を締結することの支障となりえる」として、「適切とは認められない」と指摘した。
検査院は昨年3月に参院予算委の要請を受け、同年11月に検査結果を報告。中間報告は6月15日時点の内容をまとめたものだ。今後は、近畿財務局から大阪航空局への依頼で値引き額が増額された結果、売却価格が学園側の要望の範囲内に収まった問題を重点的に調べるという。最終的な検査結果は今秋にも取りまとめるとみられる。(田内康介、高橋淳)