錦織圭の銅メダル獲得が決まり、跳び上がって喜ぶ地元の住民たち=15日早朝、松江市総合体育館
(14日、テニス男子シングルス3位決定戦)
第3セット9ゲーム、マッチポイントから錦織圭(26)がサーブを決める。
日本テニス界96年ぶりのメダル獲得が決まると、錦織の出身地、松江市の市総合体育館では、集まった恩師や地元のファンら約100人が立ち上がってハイタッチをして喜びを爆発させた。
第1セット、元世界ランク1位のナダルから5ゲームを連取し、セットを奪う。13歳で米国留学するまでの7年間、テニススクールでコーチとして指導した柏井正樹さん(56)は「流れはいい感じ。でも油断は禁物」。
第2セットはタイブレークの末にナダルに奪い返され、迎えた最終第3セット。体育館ではニシコリコールが渦巻いた。市民らは、「がんばれ 島根」の黄色い旗を手に必死に声をあげる。銅メダルが決まると、万歳の大合唱で喜んだ。
「メダルを取ってくれてホッとした」と柏井さん。4年後の東京五輪に向け、「今日のように一つ一つ楽しんで戦い、さらに上を目指してほしい」とエールを送った。錦織の母校・開星中学校(松江市)の後輩で、この夏の高校総体女子テニスのシングルスで優勝した開星高校2年の細木咲良(さくら)さん(16)は「小柄でも世界で活躍できる錦織選手のようになりたい」と話した。(石川達也)