現在、全国の複数の地域で「春節(旧正月、今年は2月12日)期間には必要がなければ帰省しない」よう呼びかけられている。調査によると、回答者2025人のうち、「国の呼びかけに応じる」と明確に答えた人が85.4%に上った。新型コロナウイルス感染症の拡大リスクを低減するため、春節は実家に帰って過ごすという伝統を放棄し、「今いるところで年越し」をして勤務している都市にとどまるとした。「中国青年報」が伝えた。
異郷にとどまって1人で年を越す若者にとって、家族と一緒に過ごさない春節はちょっとした「異常事態」だ。では、彼らは来る春節連休をどのように過ごすつもりなのだろうか。
家に帰らなくても、自分のために家にいる雰囲気を出す
1996年生まれの小螺さんは社会に出てまだ1年にもならないのに、初めて1人で北京で春節を迎えることになった。「今年は友達も自分と同じように北京で年を越す人が多いが、感染症のことを考えるとみんなで集まるのはよくないので、旧暦の大晦日(2月11日)の夜に先輩2人とだけ一緒に過ごすことにした。感染症期間中には遠出はしない方がいいので、連休のうち何日かは友達と北京の街で『プチ旅行』をして、故宮、天壇、王府井で北京のお正月を味わう。また元旦の早朝に天安門に行って国旗の掲揚式を見ようと思う。普段は仕事が忙しくて、北京に住んでいても、北京らしさを味わう十分な時間がない。先輩たちともしばらく会っていなかったし、一緒に遊ぶ時間も全然なかった」と話した。
春節は自分のために静かに過ごす時間にも
多くの若者にとって、帰省できないのはもちろん非常に残念なことだが、自分のために心静かに過ごす時間を手に入れるという思いがけない利点もある。
今いるところで春節を迎える予定の跑跑さんは、残念であると同時に、「ちょっとホッとした」という。30歳手前の彼女は帰省するたびに親戚から早く結婚しろと迫られるので、帰省は家族の温かさを感じるものであると同時に、いささか悩みの種でもあった。今年は「いつもと違う春節」を過ごす予定で、民泊施設の会員カードも作った。女友達と北京郊外でスキーをしたり温泉に入ったりして1日過ごし、夜は近くの山間の民泊施設に泊まり、大自然の懐に抱かれるのを楽しみにしている。それ以外の日は、家で書道の練習をしたり、絵を描いたり、トレーニングをしたりして過ごし、「体を鍛え、心を豊かにする」という。
春節の旅行ラッシュに持ち場を離れられない人も
多くの若者にとって、春節は心身をリラックスさせ、充電する連休期間を意味する。しかし一部の若者にとって、春節は休みではなく、自分の持ち場を離れられない日々を意味する。春節が来ると仕事が最も忙しくなるからだ。
1996年生まれの張小玉さんはもう7年も春節に家族と過ごしていない。旅行予約サイトの携程旅行網の南通ホテル予約部で働く張さんは、毎年春節になると同僚たちとともに息つく間もなくホテルの予約処理業務をこなしてきた。春節連休は外出・旅行の繁忙期で、今年のホテル予約件数は例年より減少したとはいえ、居住地のリゾートホテルで年越しをする人がまだかなりいる。張さんは普段は1日8時間勤務だが、春節期間は12時間から13時間になる上、携帯電話は鳴り止まらない状況だ。
大晦日の夜には、張さんの勤務している都市に実家がある同僚たちが家から料理を持ち寄り、みんなで会社で食べてこれを年越しとする。テレビの年越し番組は見る時間がなく、いつも再放送で見ている。張さんはこんな仕事のリズムに「もう慣れた」と言う。春節に帰省して両親と一緒に過ごせないことを思うと、「すまない気持ちになる」が、楽観的な性格の彼女は、「両親は自分の仕事をとても応援してくれている。若いうちは何年か頑張って働くつもり。いずれは実家に戻って両親の側にいようと思う」と前向きだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月10日