日南学園―市和歌山 五回表日南学園2死一塁、前田は右越えに適時二塁打を放つ=杉本康弘撮影
(15日、高校野球 日南学園6―4市和歌山)
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■日南学園・前田尚輝二塁手
兄の言葉を実践した。2点を追う五回2死一塁、高めの直球を振り抜き、右翼手の頭を越える適時二塁打。次打者の二塁打で、同点のホームも踏んだ。
3人兄弟の末っ子。6学年上の俊さん、1学年上の智也さんはともに日南学園の遊撃手だった。兄に憧れて野球を始め、二遊間を組みたくて二塁手を選んだ。
俊さんは甲子園の土を踏めず、智也さんは2年前の夏に出場したが、初戦で敗れた。甲子園には2人の思いを背負い、立っている。
初戦に勝った後、電話で話した。智也さんは「おめでとう」と素直に褒めてくれたけれど、俊さんは無安打に終わったことを気にかけた。「空振りでもいいから、思い切り振り抜け」
この日は、犠飛と押し出し四球も含め、3打点。アドバイスの効果は絶大だった。「ありがとうと言いたいです」。ほっとしたような笑顔を浮かべた。(岩佐友)