仮置き場の旧保育所に運び込まれる廃棄物=30日午前10時1分、大阪府豊能町、吉村治彦撮影
大阪府能勢町と豊能町でつくる豊能郡環境施設組合が、ダイオキシンを含む廃棄物を神戸市西区の最終処分場に市に無断で埋め立てた問題で、廃棄物の処分場からの撤去がようやく本格化した。神戸市と約束した8月末の撤去期限が迫る中、組合は2カ月の期間限定で豊能町役場近くに仮置き場を確保したが、新たに長期保管場所を探す必要があり、解決にはほど遠い。
「なぜ余野地区で保管するのか?」「風評被害をどう考えるのか?」。今月25日夜、豊能町余野地区で開かれた自治会の臨時総会。組合は、廃棄物を旧町立保育所の園庭に保管することを提案したが、住民側が反発。約3時間の議論の末、旧保育所の建物内や近くの倉庫に2カ月だけ仮置きすることが決まった。
組合は、神戸市西区の最終処分場から土砂状の廃棄物約300立方メートルを撤去するため、318の袋に入れて今月5日から搬出作業を始めた。まず48袋をトラック5台に積み、豊能町内の山林に用意した仮置き場に運ぼうとしたが、周辺住民の反対で断念。神戸市と約束した撤去期限を10日から31日に延長し、新たな仮置き場を探していた。ただ、10月末までに長期保管場所を確保する必要があり、先を見通せない状況は続く。
発端は1997年、能勢町にあ…