国内最大の指定暴力団山口組と、離脱派が結成した神戸山口組に対し、警察側が今年上半期(1~6月)に出した中止命令は計192件だった。分裂前の山口組に対する昨年同期の命令より103件(34・9%)減った。中止命令は、暴力団対策法に基づき市民への不当要求などの中止を命じるもの。神戸山口組は今年4月15日に指定暴力団に指定されるまで同法の規制の対象外だったためとみられる。
抗争状態、疲れ双方に「ひどい消耗戦」 山口組分裂1年
警察庁が1日発表した。それによると、山口組の組員への命令は165件で、神戸山口組は指定後の27件。暴力団全体では昨年同期より113件少ない705件で、減少分の多くが山口組の関係だった。命令全体を対象行為別に見ると、寄付金名目などでの金品の要求198件、用心棒代の要求186件、暴力団への加入強要・脱退妨害91件など。
一方、上半期に検挙(逮捕・書類送検)された山口組と神戸山口組の組員は計1050人。暴力団全体では昨年同期よりやや減る中、85人増えた。両団体の対立抗争に伴う事件が相次ぐとともに、集中取り締まりを行っているためとみられるが、微増にとどまった。警察庁は「引き続き捜査を徹底し、弱体化を図る」としている。
検挙組員数は山口組が668人…