G20首脳会議の会場で話をする米国のオバマ大統領(右)とロシアのプーチン大統領=AFP時事
オバマ米大統領は5日、中国・杭州で、プーチン・ロシア大統領と会談し、シリア問題などで意見交換した。米ホワイトハウスによると、アサド政権と反体制派の戦闘を全面停止させるための新たな合意について約1時間半議論したが、合意に至らなかった。
オバマ氏は会談後の会見で、「難しい協議で、互いの信頼の溝を埋めることができなかった」と語った。その上で、両大統領はそれぞれ、ケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外相に数日内に再協議し、合意を模索するよう指示したことを明らかにした。
プーチン大統領も、主要20カ国・地域(G20)首脳会議後の会見で「どんな条件になるかについて話すのは時期尚早だが、数日のうちに合意が出来ると感じている」と述べた。その上で「米国と協力できるようになれば、シリアなどでのテロ組織との戦いは改善し、集中的に行えるようになる」と期待感を示した。
この問題を巡っては、G20首脳会議の期間中、ケリー氏とラブロフ氏が断続的に会談を行った。ロシア側は、過激派組織「イスラム国」(IS)などテロ組織攻撃で米国との協力を深める内容で合意することを期待した。4日には両外相による合意を前提とした会見が予定されたが、直前にキャンセルとなった。
オバマ氏の説明によると、速やかに停戦を実現し、米が支援する反体制派にシリアの政権移行を進め、ISなどのテロ組織の掃討に集中するように求めた。これに対し、ロシアメディアによると、ロシア側は、攻撃を避けなければならない反体制派とテロ勢力をどう区別するかについて、米ロ間で共通認識を持つ必要があると主張。その調整が続いているという。
一方、ホワイトハウス当局者によると、この日の会談では、サイバー問題についても議題になった。
11月の米大統領選に関し、民主党のクリントン候補(68)の選挙陣営や、民主党全国委員会(DNC)などがハッキングの被害を受けていたことが発覚した。ロシア系のハッキング組織が関与した疑いがあり、連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出している。
オバマ氏は会見で、サイバー問題についてプーチン氏と意見交換したことを明かした上で、同問題を念頭に「これまでにロシア側によるサイバー侵入の問題があった」と釘を刺した。(杭州=駒木明義、峯村健司)