ロシアのプーチン大統領は5日、G20首脳会議後の記者会見で、対日関係について問われ、「安倍晋三首相は傑出した政治家だ」と持ち上げ、日本からの経済協力提案を高く評価する考えを示した。
プーチン氏は、安倍氏と「君と僕」で呼び合う関係になっていることを強調。5月に安倍首相が提案した「8項目の経済協力案」について「経済的な課題だけでなく、多くの政治問題を解決するために非常に重要だ」と述べ、経済協力を進めて信頼関係を深めることが平和条約締結問題の解決に向けた環境整備になるという考えを示した。
さらに、日本がウクライナ危機に関し、欧米などと足並みをそろえて対ロ制裁を続けていることについて、協議の妨げにはならないという考えも示した。
一方、1956年の日ソ共同宣言に言及して「第2次大戦の結果を国際的な文書で固定した後、当時のソ連は2島を日本に返す用意があるという姿勢を示した」「宣言は両国議会に批准承認されている点で極めて重要だ」と指摘。2島引き渡しによる決着を求める姿勢を強くにじませた。
また、「島を引き渡す際にどの国の主権とするかという条件は宣言には書かれていない」という解釈を重ねて強調した。(杭州=駒木明義)