財務省は6日、国の2017年度予算(一般会計)について、各省庁の概算要求総額が101兆4707億円だったと発表した。16年度当初予算より4兆7488億円(4・9%)多い。国の予算はすでに3分の1を借金で賄っていて、ゆとりはない。年末までの予算案づくりは、支出の3割超を占める社会保障費の圧縮が焦点だ。
前年の要求額よりは1%減った。最近の低金利で、国の借金の返済に充てる国債費が減ったためだ。それでも、1億総活躍社会や成長戦略など安倍政権の看板政策にかかわる要求額が膨らみ、3年連続で100兆円を超えた。
高齢化が進み、医療や福祉に使う社会保障費の自然増は6400億円を見込む。政府は財政健全化計画で、18年度までは自然増を年5千億円程度に抑える目安を設けた。要求額は目安より1400億円多く、減らす必要がある。昨年、8年ぶりの減額となった診療報酬の改定作業は2年に1度のため、今回は見直すことができない。
財務省は、70歳以上の高齢者…